フィリピン人は仕事しない、働かないって本当?

フィリピン人は日本人から見ると南国気質で、非常におおらかなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?

では、本当のフィリピン人の性格はどの程度知っているのかと聞かれるとなかなか多くの人はイメージだけであまり実際に接する機会がないという人も少なくありません。

フィリピン人を雇用する機会があった場合、仕事をしない、働かないという噂を聞き、あまり気が進まないという不安もあるかと思います。

今回は、フィリピン人労働者の本当のところについて解説していこうと思います。

フィリピンは長い間植民地支配が続いた

フィリピンは400年もの長い間、スペインとアメリカの植民地でした。

植民地は、本国から派遣された行政官が行政や政治を行い、そこに元から住んでいる人たちは、本国へ送る輸出品などを作ったりすることで、生活していくことになります。

現在では植民地支配は、奴隷制度などと言われ極めて否定的にとらえられておりますが、大航海時代には欧米各国が競って世界中に植民地を広げていました。

その中でフィリピンも例外ではありませんでした。

植民地支配にもいい点もありました。その国で暮らす人たちは本国への輸出をする食糧を作っていればよいという生活に慣れきってしまっていたということでした。

南国のフィリピンはそこまで努力しなくても作物は育ちます。寒い地域では冬場に食糧の心配をする必要がありますが、フィリピンは常夏の島国です。一年に何度でも作物を収穫することができます。

それを植民地の本国へ輸出することで生活が成り立っていた時代が長い間続きました。

フィリピンの仕事をしない生活は、必要がなかった

日本では食料が不足する冬を乗り切るために様々な知恵を出し合うようなことが行われましたが、フィリピンではそんな必要はありません。

また、植民地となっていたことで、自分たちで他国からの侵略などにどう立ち向かったらいいかというようなこともあまり心配する必要もありません。

フィリピン人は働かないという噂は、長い間働く必要がなかったということに起因しているものと思われます。

働かないというより働くことを知らない ナウル島の例

この話によく似た話が2000年代までありました。

南太平洋のナウル共和国は、特産のリン鉱石の砕石で世界的にも裕福な国でした。国土も世界で三番目に狭く、人口も約1万人程度の小さな島でしたが、リン鉱石を世界に輸出していたおかげで、国民の多くは税金を払うことなく、裕福な生活を満喫していました。

しかし、2000年代に入り、リン鉱石の採掘量が激減し、資源が枯渇してしまいました。その時に国民の多くが生活難に陥ったと言います。

これも国民の多くが、リン鉱石の恩恵を受けすぎてしまい、自分で働くという事を忘れてしまったためです。

この国もリン鉱石によって、人々が働く必要性がなくなり、働かなくなってしまった例と言えるでしょう。

フィリピン人でも家族のために働く

ここまで、働く必要性がなければ人は働かなくなってしまうということをお話ししました。

しかし、目的があれば、人が誰だって働くようになります。フィリピン人にとって一番大切なものは家族です。これは植民地時代に普及したキリスト教の影響があります。

家族のために、一生懸命働き、働いて稼いだお金は家族に渡すことで助け合って暮らしています。

フィリピンでは、正社員のような安定した職種につける人がごく一部であり、多くが不定期のアルバイトのような仕事で生計を立てています。

ホームレスのような生活をしていても、温暖な気候のため凍死するなどということもありません。スラム街ではホームレスで、生計を立てている人もいるほどです。

そうしたホームレスの人は日雇いのような仕事をしてその日の食費を稼げばいいと考えている人も多いようです。日本のホームレスの人も同じような考えの人もいますが、そうした人口が極端に多いと考えると分かりやすいです。

そうしたホームレスの人でも家族に何かがあると、お金を出し合うような文化がフィリピンには根付いています。

外国人技能実習生や労働者として日本で働くフィリピン人

フィリピン人でも国外で働こうと考えて日本に来るような人は、比較的労働意欲が高いと言えます。

まず、フィリピン国外で働くためには大きなお金が必要となります。場合によっては借金をしてまで働きに出る人もいます。また、家族の病気を治すために海外で働いてフィリピンに送金をするという人もいます。

こうした人たちは、お金を稼ぐ目的もはっきりしているため、フィリピン人であっても、フィリピン国内で働かずにいる人とは一線を画しています。

家族のために働きに出て、さらに借金も返済しなければならない場合もあります。背負っているものが違います。

フィリピン人には、フィリピン人に合ったやる気の引き出し方を

フィリピン人は仕事をしない、働かないと考えている人は日本人と同じように接している人もいるのではないでしょうか?

家族を大切にする文化が根付いていると言いましたが、従業員を仲間、家族だと思ってもらえれば、会社に貢献するように働いてくれます。

例えば、一つの作業を共同で行う、ランチなどを一緒に取るなど仲間を意識した仕事内容であれば、抵抗なく働いてくれるでしょう。

日本でも最近では少なくなりましたが社員旅行や懇親会などを開いて、職場の仲間意識を高める取り組みが行われておりました。

フィリピン人の家族を大切にする文化はこうした日本の昔から行われている職場での仲間意識を高める取り組みが、フィリピン人のやる気を高めることに応用することができるのではと思います。

フィリピン人は言われたことしかやらない?

長く植民地支配が続いたフィリピンでは、本国の行政官の言われた通りにしていれば、生活ができてきました。

そのマイナス部分とも言えるものですが、フィリピン人は言われたことしか行わない、創意工夫がないということも言われております。

これが日本人から見ると仕事をしない、働かないと見えてしまうものではないかとも言えます。

フィリピン人を雇用する場合は、業務のきっちりとしたマニュアルがあったほうがよいでしょう。

今日はこれを行うなど、明日はこれといったように細かな指示をしなければ動いてくれません。これが面倒な経営者がフィリピン人は働かないと言い出した可能性もあります。

確かに自分で考えて行動してくれる労働者は使う側からすれば便利かもしれませんが、想定外のことを行いだすリスクもあります。

その代わり、言われたことは手を抜かずに行いますので、一つのことを確実に行ってもらうような業種に適しております。

フィリピン人と日本人は共通する部分もある

日本人から見ると理解しがたい文化もある外国人労働者ですが、共通する部分も多いことは気づいていただけたと思います。

その上で、働かないのをフィリピン人だからという理由にするのではなく、上手い使い方をする必要があります。

とはいっても特別なことをする必要はありません。昔から行われている職場の仲間意識を高めるものを持ってやる気を引き出させるというのも一つの方法です。

こうして考えると、文化を理解し日本人との共通点を見ることで、フィリピン人も日本人と同等に働いてもらうことが可能でしょう。

フィリピン人の文化を理解し、それにあった雇用スタイルで、フィリピン人労働者もあなたの会社で働いてくれるはずです。

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