外国人雇用の前に押さえておくリスクと注意点

求人を出してもなかなか人材が集まらないという企業の皆さん、外国人労働者を雇用するという選択肢もあります。

しかし、外国人労働者を受け入れたことがないという経営者の方々も多いのではないでしょうか?

そんな経営者の方々に、今回はフィリピン人労働者の紹介と受け入れに関するリスクや注意点について解説していきます。

リスクや注意点を理解しておけば、外国人労働者雇用のメリットもより鮮明に生きてくることとなります。

日本で働きたいと考えている外国人、フィリピン人労働者は、あなたの会社でも輝いてくれるはずです。

就業ビザを取得して日本に来るのは難しい

まず、外国人が長期で日本に滞在するためには、在留資格認定証明書の交付を申請する必要があります。在留資格認定証明書が日本より交付された後に、ビザを取得します。

さらに、入国管理局での在留資格の審査を経て、日本への渡航が可能となります。

これは通常、外国人雇用のエージェントなどが代理で行うことが多いですが、大まかな流れとしては、上記のようなものとなります。

日本での就業を目的として長期間滞在をするために必要な就業ビザは、日本の法律で指定する27の職種でなければ認められません。

その内容もエンジニアや大学教授、通訳などといった高度な専門技能が必要とする職種ばかりが並びます。

こうしたことから、本来、就業ビザを取得して日本へ来るのはとても難しいということを理解しておきましょう。

そんな条件を緩和する「技能実習制度」

就業ビザの取得がとても難しく、なかなか取得することが難しいため、主に発展途上国の渡航希望者を対象とした技能実習制度があります。

これは、就業ビザと比べて在留資格認定証明書やビザの取得には大幅に条件が緩和されています。その代わり、期限が3年(職種によっては5年)となる日本での技能を実習する為の渡航となります。

従事できる仕事も、農業や漁業、工場作業やハウスクリーニングなど様々な職種で適用されるため、労働人口が減少している日本では、貴重な労働力として多くの業種で外国人技能実習生の受け入れが行われました。

日本人を雇用するよりも賃金の安い発展途上国の技能実習生は、よく働き、雇用者にとってはとても都合のよい存在となっていきました。

条件が良い反面、多くの問題も生んだ「技能実習制度」

雇用する経営者にとっては、日本人を雇用するよりも都合のよい「技能実習制度」ですが、その反面、多くの問題も生みました。

入国の条件を大幅に緩和しているため、モラルに欠ける人材や、実習期間の途中で失踪してしまう例なども多く発生しました。

これは、実習生だけの問題ということではありません。

もともと失踪される目的で技能実習制度を利用したエージェントなどの存在もあります。これにより、日本へ結果的に亡命するような形になる「難民申請目的」の技能実習制度利用が問題化しました。一度入国をして、行方が分からなくなってしまえば、見つけ出して強制送還なども難しくなってしまいます。

また、雇用する側の問題での実習生が行方不明となる事例もあります。これは、日本人を雇用した場合では考えられないような劣悪な労働環境を与えて、技能実習期間を奴隷のような状態で扱うような例もありました。

これに耐えきれなくなって失踪してしまうという状態です。

もちろん、こうした技能実習生ばかりではないということは言うまでもありませんが、一部のエージェントや技能実習生、雇用者の問題が制度全体の問題とされてしまいました。

こうした状態が表面化してきた現在、国連や世界各国から制度への批判が相次ぎ、近年、技能実習生の度を越した低賃金での雇用やエージェントや受け入れ企業を監視する制度改正が行われます。

フィリピンからの人材受け入れ

技能実習生の失踪が最も多かったのは、中国、ベトナム、インドネシアの順となっております。技能実習生の受け入れ数も多いのですが、その分、様々な仲介先を介して日本へ技能実習生が渡航しています。

日本の制度改正で不審な仲介先やエージェントは排除しようとしていますが、受け入れ数が多いとなかなか難しいというのが現状です。

そんな現状の中で、フィリピンからの技能実習生の受け入れを考えてみてはいかがでしょうか?

現地エージェント、技能実習生の信頼性

技能実習生の問題では、現地エージェントや質の低い技能実習生に原因がありました。現地エージェントは実際に現地で確認することも難しいため、日本の仲介業者にまかせっきりという状態でありました。

フィリピン人材開発機構では、提携する日本語学校で技能実習生向けに日本語教育を行い、技能実習に向けての準備を実習生本人に行います。

現地での日本語教育は行わず、人材斡旋のみというエージェントも多いですが、弊社では日本語教育から行います。

日本の受け入れ企業の多くの要望に応えるために、フィリピン国内に人材交流のネットワークを作っており、様々な人材を紹介することが可能です。

フィリピン人の国民性

フィリピン人の国民性として、南国特有の人懐っこく、ホスピタリティーにあふれる対応をすることができるという大きな特徴があります。これは、ホテルやおもてなしを行うような施設には必要不可欠な性格とも言えます。

また、フィリピンは英語を公用語としていることから、海外からの来客が多いホテルなどでは、日本語と英語を使い分けて、ゲストをもてなすということも可能です。

ただし、日本人とは違う性質ももちろん持ち合わせています。

プライドが高く、人前で怒られることを嫌います。何かで指摘などをしなればならない場合は、他の人に聞かれないような個室で行うような配慮が必要です。

しかし、そうしたプライドをいい意味で刺激してあげれば、非常によく働くということにもなります。当然のことですが、日本人を雇用する時と同じように個人をどう生かせるかを考えなければなりません。

フィリピンのことについても積極的に聞いてみるといった行為でも、打ち解けることができるのではないでしょうか?

こうした国民性が介護や看護などの技能実習分野でも、大いに役立つと考えられます。

受け入れ企業側で注意すること

技能実習生を受け入れる企業側で注意することは、まず信用できる受け入れ団体へ加盟しているという点が最も重要です。製造業などでは商工会議所、農業では農協、漁業では漁協といった政府が公認する技能実習生の受け入れ団体に加盟していることです。

こうした団体に加盟していないと、信用できない紹介ルートで技能実習生が紹介される可能性が高くなります。技能実習制度は不法入国の手段として狙われていることを十分認識する必要があります。

また、労働保険や社会保険などにも加入する必要があります。技能実習生であっても保険未加入は違反となります。

技能実習生であっても普通の労働者を雇用するよう形で受け入れるのが理想です。

低賃金労働は絶対にやめてください

外国人技能実習生であっても、法外な低賃金で労働させるといったことは絶対にあってはいけません。

日本の都道府県で規定されている最低賃金以下で働かせることは、技能実習生であっても罰せられます。

立場が弱く、多くの費用をかけて母国から来ている技能実習生は、低賃金で過重労働を行っても逃げ場がなく、自殺に追い込まれてしまう不幸な事件も起きています。

受け入れ企業の経営者のあなたが、技能実習生の最高の理解者でいてください。年齢の低い技能実習生は、受け入れ先の企業が一番のよりどころとなります。中には親同然となることもあります。

たまの休日に、技能実習生をどこかに連れっていってあげるなどといった配慮も賃金には出ない技能実習生の心のケアにつながります。

寮なども、劣悪すぎるような環境に住まわせるといったこともやめましょう。多くの寮費が出せない場合などはルームシェアなど数人で一つのアパートを借りるといった行い方をするようにしましょう。

経費削減のために技能実習生を受け入れるということは理解できますが、技能実習生も労働者としての権利を持っていること、人を受け入れているということも合わせて考慮するようにしましょう。

まとめ リスクにかかる費用は投資と思って

技能実習生を受け入れると、今まで気を使わなくてもよかった様々なことへ配慮する必要が出てきます。しかも、技能実習生は期限付きで、せっかく技能を教えても会社でずっと働いてくれるわけではないということを考えると、リスクにかかる費用や手間はあまり意味をなさないのではと考えてしまうかもしれません。

しかし、技能実習生は母国に帰って起業したり、母国の企業に就職して日本へ転勤などで来るかもしれません。

そんな時に、技能実習生だった当時、世話になった経営者のあなたにコンタクトを取ってくるかもしれません。

技能実習生の受け入れは、そんな青田買いをする絶好のチャンスとも言えます。

技能実習生を経費削減目的で受け入れるのもよいですが、見込みのある技能実習生を受け入れて、海外展開を見据えたものとできるのに有効な制度でもあると言えます。

ただの経費削減では終わらせない技能実習生の受け入れが、あなたの会社をより大きくするための戦略的な投資であると言えるでしょう。

それはTPPなどで普通の会社でも国際社会を意識しなければならなくなってきた現在、国際社会と取引するのに、他の会社より一歩先に行けるチャンスであるとも言えます。

  弊社では最低時給で雇用できる日本語堪能で優秀なフィリピン人スタッフを紹介しております。雇用、法律関係の質問から些細な疑問、質問でもお気軽にお問合せ下さい。