
外国人労働者を多く雇いたいと考えている経営者の方も多いと思います。その場合、雇用する外国人の人数に制限があるのかが気になる所です。
低賃金でもよく働いてくれる外国人労働者を多く雇いたいと思う心情は当然なのですが、規定を押さえておかなければ、知らないうちに違法となってしまうことになります。
今回は外国人を採用する場合に気を付けないといけない、採用人数の制限についてです。
介護施設などへの外国人技能実習制度の人数制限」
外国人技能実習制度を利用した場合の採用の人数制限があるのでしょうか?
一般財団法人や非営利法人などに外国人技能実習生を受け入れる場合と、一般的な工場などの会社に受け入れる場合とでは人数が異なります。
財団法人などの団体であれば、常勤職員の20分の1の人数でなければならないという規定があります。
介護施設や老人ホームなどの施設では、営利を目的としない非営利法人であったり、財団法人である場合が多く、この規定が適用されます。
20分の1ということですので、20人職員がいた場合、1人までしか受け入れることが出来ません。
かなり少ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは技能実習の1年目を表す在留資格の「技能実習1号ロ」を受け入れることができる人数です。
技能実習の2年目以降は「技能実習2号ロ」という在留資格に変わります。
ここで言えるのは、財団法人などに受け入れを行う1年目の技能実習生は少ないということです。2年目以降も技能実習を継続する場合、この人数制限に当たらない形になります。
財団法人などに関わる技能実習生は介護などに関わる仕事が多いため、1年目の受け入れ人数を少なくして、介護のハードな仕事についていけるように少数精鋭で鍛えてほしいというような狙いがあると思われます。
通常の会社や農業、漁業などへの外国人技能実習制度の人数制限
介護施設のような特殊な場所ではなく、農業や工場などの事業場で働くことのできる1年目の外国人技能実習生の人数は少し緩和されます。
社員数が50人以下の会社であれば、3人までの受け入れが可能です。これは1年目の期間の在留資格を持った外国人技能実習生の受け入れ可能人数です。
従って、雇用された外国人技能実習生が2年目に入り、在留資格を変更した段階で、新たな1年目の外国人技能実習生を受け入れることが可能になります。
社員数が増えていけば、それに応じて、受け入れ可能な人数も増えていくという形になります。
こうして外国人受け入れの人数が決まっていくことになります。
その中でも注意する部分があります。それは常勤の人数に2年目以降の外国人技能実習生が含まれないため、日本人を増やさなければ、外国人技能実習生を増やすことができないことになります。
また、技能実習1年目人数が、常勤社員の人数を上回ってはいけないというルールもあります。
例えば、社員数2人の会社で外国人技能実習生を雇う場合、採用枠上50人以下の組織となるので3人まで受け入れ可能なのですが、常勤の人数を上回らないようにしなければならないため、2人まで受け入れ可能という形になります。
外国人技能実習生はあくまでも、日本の技能を実習しているという形になりますので、教える立場の人が少ないと、実習のしようがありません。
2年目になれば仕事も覚えてくるため、後から入ってくる技能実習生などにも仕事を教えることができます。
外国人技能実習制度はこのようなことを考えられて、人数の制限が加えられています。
通常の外国人雇用の場合
外国人技能実習生以外の外国人労働者を雇用する場合は、就労の在留資格となります。この場合、特別採用人数の制限などは設けられておりません。
就労の在留資格を取得することができれば、ほとんど在留期間等は気にすることがなく、日本で働くことが出来ると言えます。
発展途上国などから就労目的でスカウトなどをしたいと考えても、求人活動の費用が大きく、なかなか外国人技能実習生ほど積極的に雇用することが難しいと言えます。
日本の大学を卒業した外国人留学生を雇用する場合も、高度人材としての就労の在留資格となりますので、人数に制限はないとはいえ、何人も採用できるというものではないかと考えられます。
輸入販売会社などを行う場合には外国人労働者の力が必要
外国人労働者を多く雇いたいと考える場合の例として輸入販売を行う会社を設立した場合等が考えられます。
外国人労働者を雇用しても営業職で、日本語と母国の言葉を使って輸入販売を行う事業の場合、この雇用は高度人材に当てはまるものと思われますので、就労ビザがおりやすいでしょう。
しかし、外国人の高度人材を雇用する場合のポイントとして報酬も届け出る必要があるため、設立したての会社で外国人の高度人材を何人も雇うことは難しいと考えられます。
人数の制限がないとはいえ、日本人一人を雇用する場合と同じぐらい厳しい基準が設けられています。
外国人労働者も日本人の労働者と同じ扱いになる日が来るかもしれない
現在、日本で働く外国人は、一流企業や外資系企業など以外ではあまり見かけることは少ないのではないでしょうか?
技能実習以外の日本で働く就労の在留資格を取った外国人の数が今後も増え続けていくものと思われます。
それと同時に、様々な国の人が働きやすい職場を整備することがこれからの課題です。
日本人の労働人口が減っていく一方の昨今、何らかの形で働き手を確保しなければ、日本は世界から見ても取り残されるような国になってしまうかもしれません。
そんな時代だからこそ外国人労働者の力を借りる時なのかもしれません。
技能実習制度は制度上の関係で、採用人数に上限がありますが、就労の在留資格を取得した人の雇用に制限はありません。
最近よく日本の伝統文化の職人に外国人がなるというような話がでてきましたが、まだまだ日本人だけのコミュニティが日本国内には数多く存在します。
今後のことを考えると、日本の国際化はどんどんと進んでいくでしょう。技能実習生のみならず日常的に外国人と接する機会が増えていくものと思われます。
そうなった場合、日本人と外国人の垣根が今以上に減っていくでしょう。
日本人の仕事が取られると危惧する人もいらっしゃいますが、日本の総人口が減少している現在、何らかの形で労働力を確保し、日常的に利用していく必要があります。
そうなった場合、外国人の労働者も今以上に身近なものになっていくのではないでしょうか?
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