
外国人労働者と聞くと、真っ先に心配になるのがコミュニケーションをとるにはどのようにしたらよいのかという言葉の問題が頭に浮かぶのではないかと思います。
人手不足の業界も増えてきて、外国人労働者にその業務の一部を任せようとしても、言葉があまり話せない状態で日本に来る外国人労働者も少なくありません。
そんな時に、言葉の壁を感じて、仕事での忙しさも手伝ってつらく当たってしまい、外国人労働者を雇ってもあまり使えないと感じてしまう経営者の方も多いのではないでしょうか?
しかし、言葉の壁を取り払うことで、そういった問題の一部分でも解決ができるのになります。
外国人労働者とのコミュニケーションと言葉の壁について考えてきたいと思います。
島国ならではのコミュニケーション問題
日本は四方を海で囲まれた島国であり、他国と陸続きということはありません。また、日本は顔、体の見た目や文化などが全国でほぼ同じの単一民族国家です。
さらに、漢字の他にひらがな、カタカナを用いた複雑な言語構成をとっている日本語を共通言語としている世界的に見ても非常に特殊な国家と言えます。
そのため、他のどの国とも異なる独特の文化や言語の発展をしていきました。
ヨーロッパや中国、アメリカなどでは、多くの人種や民族がともに生活し、隣国とも陸続きとなっているため、他の地域の言語や文化などが入ってきやすいと言えます。
このようなことから、ドイツではドイツ語という母国語があるのですが、第二言語として英語を話せる人が多くいたり、中国でも、広東語に代表される様々な方言があっても、標準語である北京語が話せる人が多いなど、コミュニケーションを取る必要に迫られることが多いためその方法を確立しています。
世界で母国語と第二言語としている人口比率で見た日本語の順位は、2015年の統計では15位となっており10億人以上が使用すると統計が出ている英語や中国語には遠く及びません。
日本の言語文化はそれだけ特殊な形態を歩んできたと言えます。
戦後の経済発展がガラパゴス化に拍車をかける
日本は戦後の経済発展をすることにより、奇跡的な経済成長を遂げます。輸出で外貨を稼ぎ、経済も自国で回るような大きな国内市場となります。
しかし、このことが言語や文化に関する閉鎖性を高めてしまったとも言えます。
例としては同じ島国のフィリピンでは、国内の市場が小さいため、よりよい職場で働くためには英語を使用する外資系企業へ就職することが必要となります。
また、国の政策として英語公用語化を図ってきた歴史もあり、母国語とするタガログ語などもありますが、多くの場面で英語を使うことができます。
フィリピン国内で満足な収入を得ることができない場合が多かったため、国外へと出稼ぎに行かなければなりませんでした。その場合、使用人口も多く、比較的簡単な英語が有用なコミュニケーション手段として活用されてきました。
日本ではフィリピンのように就職や生活の場面で英語を使わなければならないということがありません。
職場で英語を公用語化した企業などもありますが、日本人同士なのに日本語が話せるのになぜ英語で話す必要があるのか?と感じる人も多いでしょう。
日本には長い間、日本語を話す人しか周りにいなかったため、外国語を話す必要がなかったといっていいと考えられます。
ビジネスの場面においても、多くの場合、国内市場が大きいため日本語のみのやりとりで完結する仕事がほとんどとなります。
英語や多言語を話す必要性がある人は、貿易関係の仕事や外交官など海外とのやりとりをする仕事をする人ばかりでしたので、英語や多言語を話せるという人はエリートのような雰囲気に見られていたのはそのためです。
言語の壁はこうした思い込みにある
英語は難しく何が何だかわからないという人も多いでしょう。
日本語だけで生活ができてしまう環境にいるのであれば、英語などの外国語を話す機会を避けようという考えになってしまうのは当然です。
日本人が、英語が上達しない最大の原因は「日常生活に必要ない」ということが大きな割合を占めていると言ってもいいでしょう。
これは、日本が独自の文化発展をたどった歴史がもたらしたものと言えるでしょう。しかし、この状況が世界についていくために大きな弊害となってしまい、日本語しかできない人は基本的には日本国内での生活をすることになります。
日本の経済が停滞したとしても、フィリピンのように国外に出稼ぎを行うという状況にもなりにくいということが大きな特徴です。
親しい人がその言語を使う人だとすぐに覚えるのが外国語
よくその国の言語を話せるようになる最短の道のりは、その言語を話す恋人を作るといいと言います。
恋人同士の会話はそこまで難しい単語を使うというものではありません。そんな関係の間は積極的にコミュニケーションを取りたいと思い、必死にその言語について勉強します。
ある程度の単語を覚えると単語をつなぐだけで会話が成立するということにも気づくようになります。
このように親しい人がいるとすぐに覚えてしまうほど言葉というのは簡単なものということに気が付くでしょう。
前項でも書いたように言葉は難しいという意識が作り出しているものですので、言葉は難しいものではないと分かると、言葉の壁は簡単に崩れてしまうでしょう。
簡単な言葉から覚えていく
外国人労働者として日本に来る外国人は、ある程度日本語を学習してから入国しています。そのため、全く話せない人ほど言葉の壁と言えるものは少ないものと思われます。
しかし、日本語の上達には個人差がありますので、来日した時にはそこまで日本語が上手ではないという人もいます。
そういった外国人労働者には、言語の壁で話したように、外国に行った際に、日本語で話しかけられると安心するという心理があるように、その国の簡単な外国語でコミュニケーションを取るといいでしょう。
簡単な外国語といっても英語であれば「good job」や中国語で言えば「辛苦了(お疲れ様)」など簡単な言葉からで構いません。
お互いのコミュニティが断絶してしまうことが言葉の壁と定義できますので、こうした日本語を使う側が歩み寄ると、相手も積極的に日本語を覚えようとしてくれるでしょう。
仕事においては伝達を行うためのコミュニケーションが必要不可欠です。言葉の壁ができてしまっては仕事が円滑に回っていきませんので、こうした状況は避けなければなりません。
言葉の壁を取り払うことは、国際社会には必要
現在までに日本人の人口が減少に転じて、今後少子高齢化による自然増が見込めないために、政府も特定技能の在留資格を創設して人手不足に対応しようとしています。
今後、人口減少による人手不足により、外国人労働者に労働力を頼らなければならない時代は確実に来ると考えられます。
そのような時代に、言葉の壁による仕事が滞った場合、企業の存続にもつながりかねない大きな問題と言えます。
日本人同士であれば当たり前にできていた意思疎通は、外国人労働者が入ることでより複雑なものになると言えます。
しかし、日常生活に必要な言葉の数は、そこまで多いものではありません。仕事においても必要な言葉は限られており、その国の言葉を完璧にマスターすることはありません。
相手が、日本語が分からなくて困っている際に、翻訳アプリなどでこういうことを言いたいのか?と聞いても言葉の壁は解消されます。
外国人技能実習が終わって母国へ帰っている実習生に会いに行くなどという際にもその時の経験が役に立つようになると思います。
外国人技能実習生が母国で会社を作り、海外業務などを行う際の取引先となるかもしれません。
世界の情勢は動いていますので、日本で技能実習を行った実習生も母国に帰り、日本で稼いだお金を資本にして、事業を行うのを手伝うかもしれません。
日本国内に目を向けると、経済の停滞や人口減少、世代間格差など暗いニュースばかりですが、こうした状況も見方を変えれば国際化に動き出す大きなチャンスとも言えます。
優秀な外国人労働者に投資するという感覚をもって
外国人労働者を受けいれるというと、安い労働力を確保すると考える経営者の方も未だ多いのではないかと感じますが、それは過去の時代のものと言えます。
日本では労働人口の減少により、どこの企業もよい労働力の確保に血眼になっています。
そんな中で始まった特定技能の外国人労働者は貴重な労働力と言えるでしょう。
貴重な労働力でもある外国人労働者を、言葉の壁で確保できなくなってしまうというのは非常にもったいなく、簡単にその壁は取り外すことができるのに、その方法が分からないために労働力を逃してしまう結果になりかねません。
優秀な労働力に投資するという感覚で言語の壁、コミュニケーション問題を解決していくことが重要です。
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