技能実習生の税金は?所得税、住民税、税率などについて解説

外国人技能実習生を雇用した場合、給与を支払うことになります。

そのため、給与の中から税金を支払う義務が生じます。これは外国人だから支払わなくてもよいというものではありません。

外国人技能実習生として雇用した場合、どのような税金を支払う必要が出てくるのでしょうか?

外国人技能実習生1年目の場合

外国人技能実習生として来日して1年目の場合、税金の区分上の非居住者という扱いになります。

この場合、所得税のみの課税となり、収入に応じた累進課税による税率を計算して支払う形となります。

非居住者という名前ですが、住所不定ということではありません。

来日して一年以内ということで、2年目以降も外国人技能実習生として仕事を続ける場合、居住者として住民税を支払うことになります。

1年目は非居住者ということで、所得税が一律20.42%の基準で課税されます。

2年目以降は以下の基準で給与計算時に課税金額が決まります。

所得税の税率は、源泉徴収による課税前の収入が195万円以下の場合は5%、195万を超え330万円以下の場合は10%、330万円を超え、695万円以下の場合は20%になります。

これは年間の所得に対する課税となります。

これは課税所得に対するものとなりますので、実際の賃金から社会保険や年金を引いた所得に対して所得税率がかけられます。

外国人技能実習生2年目以降の場合

外国人技能実習生に限った話ではありませんが、就労して2年目以降は前年の所得に基づいて居住している市町村から住民税が請求されます。

1年目は非居住者だったのですが、外国人技能実習生も居住者という扱いになったということになります。

住民税は、市町村によって僅かな増減はありますが、ほぼ10%程度となります。

会社員の経験のある方は、新入社員として入社した際の給与が少し高かったのに、2年目から減ったという経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

これが2年目以降に住民税が課税されたことによるものです。

ここまでの内容は、日本人の労働者を雇用した場合も全く同じ状況となります。

基本的には税制上は外国人技能実習生でも日本人の労働者でも税金は同様の基準で納税します。

外国人技能実習生であっても税金は日本人労働者と同様

外国人技能実習生は、雇用形態は監理団体から派遣される形で雇用されますが、雇用契約は受け入れ企業と行い、労働の条件も日本人の労働者と同様です。

それと同じように税金に関しても大前提としては日本人の労働者と同様と考えたほうがいいでしょう。

その大前提にたって、外国人ならではの様々な条件が出てくるため非常に外国人技能実習生の税金はわかりづらいということになってしまっていることが言えます。

日本との租税条約を締結している国は所得税が免税になることもある

個別のパターンとして、外国人技能実習生が日本との租税条約を締結している国から来日している場合、租税条約に事業修得者の免税という条文がある場合に限り、届け出を行うことで免税となる場合があります。

これは租税条約にこの一文がない場合はこうした届け出を税務署に提出することができません。

これは日本と外国人技能実習生の母国との間の租税条約に関するものであり、改正となる場合もあります。

税務署に届け出を出さなければ、所得税の免税となりませんので、勝手に免税だという認識で外国人技能実習生の所得税を免税としてはいけません。

税金のことはわかりづらい

税金のことははっきり言ってわかりづらいと思いますが税理士に任せることもあっても、知識を持つことは重要です。

税率や基準年など、あまり馴染みのないような言葉やなぜそのようになるのかを調べようにも国税庁のHPはお世辞にも分かりやすく記載しているとは言えません。

これは、税金は所得のある全国民が納税することを想定しているため、極めて広範囲をカバーするように書かれているためです。

例えば、料理を作るコックとIT企業の役員、建設現場の日払いで働く職人などもすべて同じ基準で税金が計算されるようになっています。

分かりづらいことを狙って制度を決めているというわけではありません。

これだけ多くの業種に対応するためには、ある程度特例を作らないということを考えていかなければ不公平となってしまいます。

また、毎年、タックスヘイブンなどの課税逃れが出ているため、これにも対応していかなければなりません。

年々、税金の制度はわかりづらいものになっていっているといっても過言ではないでしょう。

そのために、税理士がいて、税金の相談などもおこなうことができます。

経営者の方によっては、税金は難しいから税理士にお任せしようと考えている人もいるかもしれません。

税理士の方に任せるのは問題ありませんが、丸投げ状態だと決算まで経営状況の把握が出来ない、全く知識がないと足元を見られて高額な顧問料を請求されるなどデメリットも多いので、最低限の知識も必要です。

外国人技能実習生の源泉徴収時の注意

日本では、労働者が源泉徴収により税金を納めるということはごく一般的ですが、海外の多くの国ではそのような文化は存在しません。

給与を受け取って、必要な税金や保険は自分で払うというのが一般的です。

そのため、外国人技能実習生に源泉徴収による課税を行う場合、きちんと内容を説明する必要があります。

中には、勝手に給与から一部を経営者が抜き取っていると勘違いする実習生もいるかと思います。

しかし、これは日本では一般的なやり方で、国も推奨しているということをきちんと説明して給与を支払うとよいと思います。

怪しまれてしまうとその不信感が仕事にも影響するようになってしまいますので、きちんと説明をするようにしましょう。

その際には、税金は外国人技能実習生であっても日本人と同じなんだということを是非とも強調していただければと思います。

その方が自分も日本人と同じように働いて、税金を納めているんだという実感を沸かせることができるはずです。

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