外国人労働者雇用時の届け出の出し方について(外国人技能実習生等)

会社経営を行う場合には、様々な役所へ必要な届け出を行わなければなりません。

基本的に、相談窓口などがある場合にはそこで必要な届け出を聞くこともできます。しかし外国人労働者を雇用する場合にはどのような役所に相談したらいいのかが分からずに、雇用しても無届状態となってしまう場合もあります。

外国人労働者を雇用する場合には、日本人を雇用した場合と違って、多くの届け出を行わなければなりません。

外国人労働者を雇用した場合の届け出についてまとめました。

外国人技能実習生を受け入れる場合

農業や工場の生産ライン、建設現場など、外国人技能実習生を受け入れることが可能な業種の場合は、外国人技能実習生を受け入れることで、外国人を雇用することになります。

外国人技能実習生は監理団体と呼ばれる実習生派遣元より、派遣されてきます。

必要な届け出書類は、この監理団体が主体となって省庁などへ届け出を行います。在留資格は技能実習生としての滞在を表す「技能実習」になります。

技能実習生に関する必要な届け出は、監理団体と協議して届け出を行うこととなりますが、それ以外に、社会保険などへの加入も義務付けられています。

雇用保険や健康保険といった日本人を正社員として雇用する場合の一連の保険や年金についても加入が必要です。

技能実習生として、日本で就労可能な期間は、2~3年となりますので、特に年金など必要ないのではと考えて加入しない経営者も意外と多いのではと思いますが、これは法令違反となります。

こうした社会保険は国籍を問わず、日本で働く人すべてに加入が義務付けられています。

また、技能実習生として働いている外国人の氏名、在留資格、在留期間についても、公共職業安定所(ハローワーク)へ届け出を行わなければなりません。

これは技能実習生の数に関わらず、一人でも外国人を雇用した場合には、届け出を行わなければなりません。

技能実習生が離職した場合にも、離職の届け出を同様に行う必要があります。

一見すると、日本人を雇用するのよりも大変に感じられるものではありますが、正規の在留資格を持っている技能実習生であれば、多くの情報を必要とせず、日本人を新規で雇用する場合と同等に行うことが出来る内容です。

外国人技能実習生以外の外国人を雇用する場合

就労可能な在留資格を持っている外国人を雇用する場合、技能実習生の監理団体のような機関がないため、必要な届け出は、会社単位で行わなければなりません。

この届け出を行う際に、漏れなどがないよう細心の注意を払わなければなりません。

在留カードを持っているかどうかがポイントとなります。パスポートとは別に、在留資格の証明を法務省が行っている資格証です。

個人で取得している場合、在留資格の内容が本当に就労可能かを確認する必要があります。例としては、「留学」の在留資格でフルタイムでの就労は不法就労となります。

学生として来日しているため、アルバイトの範囲での就労は許可されていますが、労働時間に上限があり、就労目的での留学在留資格取得が問題視されています。

こうした在留資格の管理は雇用する会社となりますので、不法就労とならないよう注意しましょう。

正規の在留資格ということで、正社員雇用する場合は日本人と同じく社会保険などの加入、労働基準監督署への届け出など、一連の日本人雇用の場合と同様の届け出を行います。

技能実習生で働く場合と同様にハローワークへの在留資格、在留期間、氏名の届け出も行わなければなりません。

監理団体がいない分、会社単位で届け出を行うため、この届け出を忘れがちになります。

ハローワークへの外国人労働者の届け出は、平成20年から始まったものですので、以前はなかったといって届け出を忘れることのないようにしましょう。

なぜ外国人労働者の届け出を行うの?

日本は四方を海に囲まれていて、中国などのように国境を徒歩で超えて不法に滞在するというような例があり得ません。

そのため、入国管理も空港や港などの主要な場所で行えば、不法入国の外国人を入国させないという措置を取ることができました。

しかし、2000年以降、海外から来る外国人が急増しました。その入国目的も様々です。観光などの目的で入国し不法滞在するなどの例が多く、社会問題となりました。

日本国内で生活費を稼ぐために働かなければならないため、不法滞在を知りながら安い労働力として雇用した場合は、会社側の責任になります。不法滞在を知らなかった場合でも雇用の事実があれば知らなかったと言っても罰則の対象となります。

外国人技能実習制度も始まったことで、海外の労働力を積極的に活用しようと政府の方針が変わったのも2000年代以降です。

それまでも少子高齢化などによる労働力の減少が未来の課題として、議論に上がってはいましたが、実際に低経済成長などの実害が出始めてきました。

こうした労働力の減少が待ったなしの課題となってきたためです。

しかし、労働力は確保したいが、不法入国者は排除したいという二つの相反する課題を解決するために、外国人を雇用する会社に在留資格の管理を義務付け、届け出を行う形となりました。

外国人労働者届け出数は100万人以上

こうした外国人労働者の届け出制度を始めて以降、初めて今年届出人数が100万人を超えました。

ハローワークに届け出されている外国人労働者はすべてきちんとした在留資格を持って正規で働いている労働者です。

その人数が100万人を超えたということで大きな話題となりました。

外国人労働者が日本経済を下支えしているといってもよいでしょう。業種によっては社員が外国人ばかりという会社もあるのではと思います。

外国人と一緒に働いているということがごく当たり前の光景になっていると言えるでしょう。

外国人労働者を雇用する場合には、在留資格の確認、届け出を

近い将来、外国人労働者を雇用することが当たり前の世の中になっていくことは目に見えています。様々な業種での外国人が働ける環境を整備しようという動きがあります。

その場合、外国人労働者の届け出を行わなければならないということは覚えておきたいですね。

建設現場や工場など、今でも多くの外国人の力が必要としています。

いつ外国人を雇用することになってもよいように予備知識を持っておくと安心です。

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