外国人労働者が働く職場でのトラブル事例と対策

日本人とは文化も違う外国人を雇った場合、どのような部分でトラブルとなることが多いのでしょうか?

日本人と外国人の違いから発生するトラブル、その対処方法について考えていきたいと思います。

まず大前提としてに外国人も日本人も同じ人であることには変わりありません。

そういった感覚を持てば全く外国人労働者を雇うことに抵抗を持つ必要も難しく考える必要もありません。

残業という考え方がない

外国では、仕事は時間が決まっていて、定時になるとぴったりに帰るというのが基本です。

仕事が残っているという場合、明日か休みの日以外の日に改めて行うというのが常識となっています。長時間労働を基本的に行っている国は日本の周辺韓国など一部の国で、他の国の労働者は、定時帰宅を行っています。時間がなく、間に合わなかったという場合、仕事の〆切が早すぎると考えるのが普通です。

そんな場合、外国人労働者が働かないと考えてしまう経営者の方もいらっしゃるのではないかと思います。仕事が終わらなければ残業を要請しても定時で帰ってしまう場合も多いのではないでしょうか?

こうした感覚は日本人には理解できない内容ではありますが、海外では普通です。むしろ残業をする国の方が少ないと言っていいでしょう。

そうした場合、残業をしないと割り切るのではなく、残業すると残業代を出すという説明をしましょう。外国人労働者が日本で働くメリットは、母国では到底稼げない賃金を稼ぐために来日しています。

残業という文化がない国では、残業をすれば、その分お金がもらえるという事を単純に理解していない外国人労働者も多くいます。

今日終わらなかった分を残業で終わらせれば、その分基準賃金よりも割り増しした賃金を獲得できると知れば、その分、よく働いてくれるはずです。

外国人労働者が逃亡したら…

外国人技能実習生の中には、技能実習を日本への不法入国の機会と考えている人も少数ですが存在します。

そういった外国人技能実習生が監理団体から派遣されてしまった場合、どんなに待遇に問題がなくても、ある日突然いなくなってしまうことがあります。

こうした状況を防ぐためにパスポートなどの身分証を会社で保管して管理するということが以前聞かれましたが、これは入管法で規制する強制労働に当たるため、こうした管理は絶対にやめましょう。

突然、失踪してしまった場合、会社の待遇に法律的に問題がなければ、特に行政指導などをされることはありませんので、警察に届け出ましょう。警察から入国管理局へ失踪届けが出されます。

失踪した後の外国人が日本でどういったことをするかはあまり明らかになってはいませんが、一度失踪すると見つかることは殆どないと言われています。

その日までも給与が未払いだった場合は、本人が直接取りに来るまで保管していなければなりません。

また、本人がいなくなってしまったので、自然と解雇となります。加入していた社会保険などは脱退手続きを取りましょう。

失踪届けを出せば受け入れ企業ではなく、監理団体が警察と連携して失踪先などを探すことになります。

それでも見つからない場合は監理団体から違う外国人技能実習生が派遣されてきます。

日本語が分からない

外国人技能実習生は、実習前に日本語をある程度学んで来日します。

しかし、中にはなかなか日本語を習得することができず、日本語をマスターできないという人も多く存在します。

そういった人が外国人労働者として来日した場合、同じ職場の日本人とコミュニケーションがうまく取れないということがあります。

こうした場合、違う国の外国人労働者同士でも、コミュニケーションが取れず、完全に孤立してしまうということがあります。

そんな場合は、時間外や休日などに監理団体に要請をして日本語講習などを行うようにしましょう。

勉強が苦手な外国人技能実習生も中にはいますが、自分のためだと言い聞かせれば、もともと日本に来ることを選択したのですから、日本語を学んでくれるはずです。

街の周りには日本語があふれています。最近では公共の交通機関などでも日本語アナウンスの後に英語、中国語など様々な国の言葉でのアナウンスがされるようになりました。こういった機会は語学を習得するいい機会です。

街での日本語アナウンスなどに注目して、少しづつでもいいので日本語を話せるようになるよう指導してみましょう。

外国人技能実習生や留学生は奴隷ではない

これは外国人技能実習生を雇う日本人側の価値観や考え方になるのですが、外国人労働者は安い労働力、文句も言わずに働いてくれるから酷使してもいいというのは、完全な間違いです。

外国人技能実習生や留学生も、労働基準法で規定されている「労働者」になり、労働時間などが特別なものになっているわけではありません。

厚生労働省の調査でも、外国人労働者の数が100万人を超えたという統計データが出てきました。

最早外国人労働者の下支えなしに、日本経済が成り立つことが困難な状態にまで来ていると言っていいでしょう。

仮に、外国人技能実習生制度が廃止となり、いま日本にいる実習生がすべて帰国してしまったら、日本経済は停滞し、必要な仕事が回らなくなるという事実を日本人は認識しなければなりません。

外国人技能実習生が働く職場は過酷でも誰かが行わなければならない仕事ばかりです。日本人労働者が敬遠するから外国人労働者が代わりに行っているということになります。

そうした外国人労働者に尊敬の念を持つことも、職場で起こっている外国人労働者とのトラブルの解消にも一つ役立つものと考えます。

職場では、日本人も外国人もない

理想論で言えば、同じ職場にいるということは、仕事に対し日本人も外国人も同じように働くことが重要です。

しかし、「何で同じ仕事をしているのに日本人と賃金が違うのか?」「日本人ばかりが評価されていてばかばかしい」などの感情が壁を生むことになります。

結果、職場での外国人と日本人がうまくいかなくなってしまうという構造があります。

経営者と外国人労働者であっても、「技能実習期間を過ぎれば、せっかく教えても帰国してしまう」と考えて、働いている時だけ働かせてしまうということもあります。

先にも書きましたように、政府の規制強化により外国人労働者を安い労働力としてしか見れない状態となってきています。

また、中国などの国では、大学でどれだけ優秀な成績を収めても会社に入ることができない人も存在します。これは中国ならではですが、裏金や賄賂などにより会社へ入るということもある程度筋書ができてしまっているという実態があるためです。

習近平政権となり、最近ではこうした腐敗をなくそうという動きも多いですが、その歴史は長いためなかなかすぐには改善されません。

会社に就職できなかった中国人が技能実習制度を利用して日本に来るということもあります。

近年の技能実習生は非常に優秀で勤勉だということを言われるようになったのは、政府の規制強化により、労働環境が劇的に改善されたためとも言われています。

こうした外国人技能実習生に働いてもらうことは、日本人経営者にとっても大きなメリットとなるでしょう。

優秀な技能実習生がいたら、日本人と結婚する

技能実習生が実習期間を過ぎると、帰国してしまうというデメリットを解消する方法が一つだけあります。

それは、技能実習生が日本人と結婚することで、日本国籍を持つことができるため、日本に永住することができるということです。

しかし、これは本当に技能実習生が人間的にも素晴らしく、信頼できる場合以外に適用することができません。

あまりに同じ職場で日本人と結婚が相次げば、偽装結婚の疑念も持たれます。

こうした技能実習期間はある意味試用期間とも言えます。

本当に日本に残りたければ、実習生本人もいろいろと考えるはずですので、その手助けをしてあげるというのも経営者の役目ではないかと考えます。

お互いのことを知ることで、トラブルは減らせる

外国人労働者は異国で生まれ育って日本に来たのですから、考え方が違うのは当たり前です。

日本でも、関東と関西では違うと言われているのですから、外国でも違っても驚くことではありません。

まず、外国人労働者の文化を知ることから始めてみましょう。その際に、日本の文化も教えてみてください。国際交流など新しい世界を知るきっかけになることが楽しいと言って海外旅行が趣味の人もいるくらいですから、こうしたことを知ることは自分の視野も広げます。

外国人労働者をきっかけに、自分の会社を別の視点から見ることで今まで見えなかった改善点なども見えてくるかもしれません。

そうなれば、多くの外国人や日本人もさらに働きやすい環境を作ることも可能になるかもしれないのです。

お互いのことを知ることで、トラブルを減らすことが出来、さらにあわよくば労働環境や業績も改善できる可能性も秘めています。

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